こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、「特撮のDNA」2019-2020シーズン、「小さき勇者たち~ガメラ~」です。
特撮のDNA
怪獣好き男子&女子にはたまらないイベント「特撮のDNA」。
2019-2020シーズンのこのイベントにやって来たのは、大怪獣ガメラでした。
サブタイトルは「平成ガメラの衝撃と奇想の大映特撮」です。
これまで当夢中図書館で、平成ガメラ3部作の衝撃の展示を紹介してきました。
平成ガメラシリーズは「ガメラ3 邪神覚醒」、通称「G3」をもって完結。
幕を下ろしましたが、実はその後、平成ガメラ3部作とは趣の異なるガメラがスクリーンに登場しました。
それが、「小さき勇者たち~ガメラ~」です。
まずは、そのストーリーを振り返りましょう。
あらすじ
母親を交通事故で亡くして、悲しみの日々を送る透。
ある日、島で赤い石とその上に卵を見つけると、そこから小さなカメが生まれました。
透はそのカメを「トト」と名付けると、父親に内緒で自分の部屋で飼い始めます。
トトとの触れ合いを通じて、次第に元気を取り戻していく透。
そしてトトも、その元気に呼応するかのように急速に成長していきます。
そんなとき、透の住む志摩の町に海から巨大な怪獣が現れます。
「ジーダス」と名付けられたその巨獣は、町を襲い人々を食い荒らします。
その矛先が透らに向いたとき、ジーダスに立ちふさがったのは巨大化したトト…。ガメラでした。
戦いの場は、志摩の漁村から大都市・名古屋へ…。
凶暴さを増すジーダスに、生まれたばかりのガメラは圧倒されます。
ガメラを救うには「赤い石」が必要だ…。透と子供たちは、幼馴染・麻衣からガメラへ、赤い石を届ける勇気のリレーに駆けだします。
ガメラは少年のために、少年はガメラのために…。
小さき勇者たちの思いはガメラに届くのか…。そして、ガメラは小さき勇者たちを救うことができるのか。
小さき勇者たち
映画「小さき勇者たち~ガメラ~」。
公開は2006年。ガメラ生誕40周年作品として製作された本作は、昭和ガメラの世界観を色濃く感じる作品となりました。
キャッチフレーズが「ガメラは少年のために、少年はガメラのために」。
本作でガメラは、昭和ガメラと同様、子供の味方として登場。「怪獣が出るホームドラマ」のような作品となっています。
シリアスな設定の「平成ガメラ3部作」とは一線を画す世界観。
製作スタッフもこれまでとは異なる布陣。ストーリーも、一部平成ガメラを受け継ぐものはあるものの、別物と考えていいでしょう。
これには平成ガメラファンは戸惑いました…。
賛否両論がわき立ち、興行的には芳しい結果を得られませんでした。
さすがに、ここに来て、昭和ガメラ的な世界観は厳しかったかな…。
個人的には好きだったんだけどな。
怪獣ものとしては、たしかに「今さら」な昭和ガメラの世界観ですが、ファミリードラマとして観ると別の魅力を楽しめます。
特に、主人公・透と父親・孝介の関係は見どころの一つ。
母を失い、うまくいかない父子が、ガメラを通じて次第に心を通わせていきます。
実は、孝介も幼い頃にガメラと出会ってるんですね。
そして、透の隣りに住むヒロイン麻衣。
トトをガメラじゃないかと最初に気づくのが彼女です。何かと透を気遣うのですが、実は重い心臓病を抱えていて…。
ちなみに、麻衣を演じる夏帆さんはこのとき14歳。メチャクチャかわいいです。
展示コーナー
そんな映画「小さき勇者たち~ガメラ~」の展示コーナーも、「特撮のDNA」展にありました。
まずは、トト! 幼きガメラです。
ちなみに、生まれたばかりのトトには、本物のケヅメリクガメが採用されました。
そして、奇跡のツーショット。
会場内をゆる~く歩きまわる「ガメラさん」と、姿かたちが類似している幼年ガメラ「トト」。
こんな幼年ガメラが立ち向かうのが、凶暴な人食い怪獣「ジーダス」です。
ある意味、これまでのシリーズのなかで一番怪獣らしい怪獣。恐竜や爬虫類を彷彿させるフォルム。毒々しいエリマキトカゲみたい…。
武器は長く伸びる舌。その先は鋭利な刃になっていて、幼きガメラの甲羅を貫いて攻撃します。
このジーダス、ノベライズ本では、ギャオスの死骸を食べた爬虫類が変異したものとされています。
背中から尻尾まで生えるトゲはよく見たら、ゴムホースでした。
これをなんと手作業でくっつけたというから、製作スタッフの根気には敬意を表します。
最後は派手に吹き飛ぶのですが、きっと造形に関わったスタッフは涙を落としたことでしょう…。
やっぱり、特撮はすばらしい…。
特撮作品の一本一本に、製作者たちのドラマがあります。
「特撮のDNA」、必ず次代に継いでいきましょう。
ありがとう、特撮のDNA! ありがとう、小さき勇者たち、ガメラ!