こんにちは。夢中図書館へようこそ！
館長のふゆきです。
今日の夢中は、映画ゴジラシリーズ6作目、「怪獣大戦争」（1965年）をとり上げます。
「怪獣大戦争」！
ゴジラ、ラドン、キングギドラ、宇宙で大暴れ
作品概要
作品名：怪獣大戦争
公開日：1965年12月19日
分数：94分
動員数：513万人
出演者：宝田明／ニック・アダムス／水野久美／沢井桂子／久保明／土屋嘉男 他
製作：田中友幸
監督：本多猪四郎
脚本：関沢新一
音楽：伊福部昭
特技監督：円谷英二
※東宝公式サイトより
あらすじ
196X年、木星に13番目の衛星が発見。その名はX星…。
宇宙局の富士とグレンが操縦する探検ロケットP-1号が、調査のためX星に向かいます。
上陸した2人の前に現れたのは、高度な文明を持つX星人。そして、宇宙怪獣キングギドラでした。
X星人は、キングギドラを倒すために、地球からゴジラとラドンを借りたいと申し出ます。
しかし、これはX星人の罠でした…。ゴジラとラドンを手中にすると、彼らは本性を露にします。
「地球は今後X星の支配下に移り、植民地制となる。この決定に従わぬときは、地球人類を抹殺する」。
そして始まるX星人の地球への攻撃。彼らが電磁波で操るゴジラとラドン、キングギドラが街を蹂躙します。
絶望的な状況を打開するには、ゴジラとラドンを取り戻すしかない…。富士は、起死回生の作戦に出ますが…。
果たして、地球はゴジラとラドンを取り戻すことができるのか。
そして人類は、X星人の侵略を止めることができるのか。
レビュー
ゴジラシリーズ6作目「怪獣大戦争」は、なんと舞台を宇宙へ。
これまで以上にスケールの大きい、SF怪獣映画となりました。
特に、シリーズ初となる宇宙、X星のシーンは未来感がたっぷり。
X星人は、荒涼とした星の地下に、超科学を用いた要塞を建造しているという設定です。
このX星人と地球人との戦いが、映画の柱の一つ。スリルとサスペンスを味わえます。
もう一つの柱の怪獣対決は、前作に引き続いてキングギドラが登場。
対する地球代表のゴジラとラドンが時折愛嬌のある仕草を見せるなか、一切スキを見せません。
クールな怪獣としてさらに魅力を増しました。やっぱり敵キャラは強くないとね！
見どころ
そんな映画「怪獣大戦争」。個人的な見どころを紹介します。
※ネタバレになる記述がありますので、ご注意ください。
１．謎のX星人
この作品で圧倒的な存在感を示すのが、謎の宇宙人「X星人」です。
とんでもない詐欺宇宙人なのですが、そのキワモノぶりからマニアックな人気を誇ります。
なんと言っても、その見た目のインパクトがものすごい…。
みんな同じコスチューム。全身を灰色のタイツで包み、大きな襟の黒いベスト、黒いサングラス。女性はみんな同じ顔です。
この画一的な姿が暗示するように、彼らには個性がありません。
感情も意志もありません。恋愛や結婚も行動はすべて、電子計算機の指示に従うのが掟です。
合理性の権化のようなX星人。一方の地球人は、不合理ながらも感情や勘に従い行動します。
富士とグレンという国籍の異なるキャラを主役に添えたのも、多様性の力をアピールする意図なのかもしれません。
娯楽作品でありながら、現代社会への警鐘も忘れない…。これもゴジラ作品の魅力ですね。
２．ゴジラの「シェー！」
ゴジラ映画史上に残る名（迷）シーン、ゴジラの「シェー！」。
こんな貴重なゴジラを観れるのもこの作品の特徴です。
X星に連れ去られたゴジラ。地球より重力の軽いX星で、身軽な動きでキングギドラを撃退します。
このとき、喜びの「シェー！」を計4回披露。伝説のゴジラ「シェー！」が生まれました。
当時は、「おそ松くん」のイヤミが放つギャグ「シェー！」が大ブーム。
これを受けて、円谷英二さんが子供たちへのサービスとして取り入れたのだそうです。
後にこれは賛否を巻き起こしましたが、円谷さんの子供愛が詰まったシーンだと思います。
この「シェー！」ポーズだけでなく、地球上でもゴジラの動きが軽快です。
敏捷なフットワークで、キングギドラを攻撃します。宇宙から地球へと続く「怪獣大戦争」、その戦いの行方は…！？
今日の1枚
それでは最後に、映画の名シーンを伝える、ふゆき画伯（？）の「今日の1枚」。
X星のキングギドラとゴジラを描きました。探索ロケットP-1号とラドンのシルエットも。
やっぱり、ゴジラの「シェー！」は強烈…。
この辺りから子供向け娯楽作品として確たる地位を獲得していくゴジラシリーズ。
円谷英二さんら製作陣が楽しみながら撮っている風景が思い浮かびますね。
ありがとう、ゴジラ！ ありがとう、怪獣大戦争！
