こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、映画ゴジラシリーズ8作目、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967年)をとり上げます。
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」
親ばかゴジラ、巨大虫怪獣と対決!
作品概要
作品名:怪獣島の決戦 ゴジラの息子
公開日:1967年12月16日
分数:85分
動員数:309万人
出演者:高島忠夫/前田美波里/久保明/平田昭彦/佐原健二 他
製作:田中友幸
監督:福田純
脚本:関沢新一/斯波一絵
音楽:佐藤勝
特技監修:円谷英二
特技監督:有川貞昌
※東宝公式サイトより
あらすじ
南海の孤島、ゾルゲル島。
そこでは、楠見博士のチームが、秘密裏に気象コントロール実験を行っていました。
しかし実験は失敗…。すると、異常高温に包まれた島に怪獣カマキラスが出現。
さらに、巨大な卵からゴジラの息子、ミニラが誕生しました。
ミニラの呼ぶ声に応えるように、親ゴジラも島に上陸。
ミニラを狙うカマキラス、さらに巨大なクモの怪獣クモンガと戦いを繰り広げます。
果たしてゴジラとミニラは、巨大な虫怪獣との戦いに勝つことができるのか。
そして、博士たちは怪獣島から脱出することができるのか。怪獣島の決戦の行方は…?
レビュー
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」。
1967年に公開された、ゴジラシリーズ第8作です。
そのタイトル通り、本作にはゴジラの息子、ミニラが登場します。
そのため、「ゴジラはオスかメスか」の論争が行われましたが、福田監督がオスであると明かしています。
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このゴジラとミニラ親子と相対するのが、カマキラスとクモンガという巨大な虫怪獣です。
これまでの獣タイプの怪獣と異なる複雑な動きを実現したのが、東宝特撮チームのワイヤーワーク。
演出したのは、2代目特技監督の有川貞昌氏です。見事に円谷マジックを引き継ぎ、特撮技術の高さを知らしめました。
なお、公開された時期は、「ウルトラマン」の放映もあって、空前の怪獣ブーム。
映画冒頭に登場する気象観測機の機長を演じているのは黒部進さん。ウルトラマンのハヤタ隊員!まさかのコラボ実現でした。
見どころ
それでは、そんな映画「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」。個人的な見どころを紹介します。
※ネタバレになる記述がありますので、ご注意ください。
1.親ばかゴジラ
本作の見どころの一つが、ゴジラとミニラの交流シーン。
特に、ゴジラの親ばかぶりが微笑ましく描かれます。
歩けないミニラを尻尾に乗せてあげたり、嫌がるミニラの尻尾を掴んで連れ戻したり。
さらに、ミニラに放射熱線の吐き方を教えるなど、教育パパぶりも発揮します。
そして、この親子の絆の強さを示す感動のシーンが終盤にあります。
それは、降りしきる雪の中、ゴジラ親子が抱き合って寒さをしのぐ場面。
これは観るものの心を打ちました…。福田監督は、父と子の情愛を描きたかったのだとか。その思いが見事に伝わる名シーンでした。
2.クモンガ対ゴジラ親子
怪獣島の戦い。最終決戦はクモンガとの戦いでした。
このクモンガ、なかなかに手強い…。糸の噴射に毒針攻撃で、ゴジラ親子を苦しめます。
それにしても、このクモンガの動きが秀逸…。
特撮チームのワイヤーワークで、手足が細く数の多いクモの動きを見事に再現しました。
CG使わず、よくこれだけリアルな動きができたものです。気色悪さと不気味さが伝わってきます。
なお、クモンガが楠見博士ら人間を襲うシーンもありますが、こちらも迫力満点。
この場面は実物大のクモンガの足をつくって撮影したそうです。特撮のアイデアもすごいですね。
糸に絡まれるミニラ、毒で意識が朦朧としていくゴジラ…。
追い詰められた親子は最後の力を振り絞って、初のコラボ攻撃を仕掛けます。果たして、その戦いの行方は…?
今日の1枚
それでは、そんな名シーンを伝える、ふゆき画伯(?)の「今日の1枚」。
ゴジラとミニラ、親子の交流を描きました。
ゴジラが幼獣と戯れるなど、ゴジラシリーズ誕生当時、誰が想像できたでしょうか。
これも、怪獣ブームの余波でしょう。まあ、親ばかのゴジラも悪くないですよね。
それ以上に愛嬌があるのがミニラ…。これからシリーズのお笑い担当(?)として、存分に力を発揮していくのです…。
ありがとう、ゴジラ! ありがとう、ミニラ! ありがとう、虫怪獣たち!