こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、映画ゴジラシリーズ3作目、「キングコング対ゴジラ」(1962年)をとり上げます。
「キングコング対ゴジラ」!
日米2大怪獣、世紀の異種格闘技戦
作品概要
作品名:キングコング対ゴジラ
公開日:1962年8月11日
分数:97分
動員数:1255万人
出演者:高島忠夫/佐原健二/藤木悠/浜美枝/若林映子/平田昭彦 他
製作:田中友幸
監督:本多猪四郎
脚本:関沢新一
特技監督:円谷英二
※東宝公式サイトより
あらすじ
北極海で謎の海水温上昇。そして、光る氷山が発見されます…。
付近を潜航する潜水艦が浸水、炎に包まれます。氷山の中から現れたのは、ゴジラでした。
一方で南半球、南海に浮かぶファロ島に巨大な魔神が出現…。
取材に向かった桜井らの前に現れたのは、巨大な猿、キングコングでした。
スポンサーの意向でコングは日本に運ばれますが、同じ頃、ゴジラが日本に上陸。
コングもそれに引き付けられるように、日本に上陸を果たします。
2大怪獣は日本列島を舞台に大格闘を繰り広げます。
キングコングとゴジラ、2大怪獣の世紀の対決。勝つのはどちらか…。
レビュー
「ゴジラの逆襲」から実に7年ぶりとなる1962年の作品、「キングコング対ゴジラ」。
ゴジラ映画としては初めてのカラー製作。東宝創立30周年の記念作品です。
本作でゴジラと対峙するのは、アメリカの怪獣スター・キングコング。
この日米の夢の怪獣対決を実現するために、東宝は映画が数本作れるほどの権利料を支払ったそうです。
巨匠・円谷英二さんも、米映画「キングコング」のファンだったそうです。
本作には、美女を片手にコングが国会議事堂にのぼるなど、オリジナル作品をオマージュするシーンもあります。
作品は、米映画の娯楽要素をとり入れたわけではないでしょうが、コメディタッチでストーリーが進みます。
この作品のテイストに重要な役割を果たしているのが、主演の高島忠夫さん。いつも明るく前向きなカメラマンを好演しています。
ファンとしては、「ゴジラ」第1作で芹沢博士を演じた平田昭彦さんが、生物学の権威・重沢博士役で再登場しているのは嬉しい。
ゴジラの上陸可能性を問われて、「必ずゴジラは日本にやってくる、いや戻ると言ったほうがいい」なんてコメントしていて、胸アツです。
見どころ
それでは、そんな映画「キングコング対ゴジラ」。個人的な見どころを紹介します。
※ネタバレになる記述がありますので、ご注意ください。
1.ふみ子の悲劇
映画のヒロイン、浜美枝さん演じるふみ子。主人公・桜井の妹です。
彼女は、本作品でゴジラにもキングコングにも襲われるという、なんとも不運な女性を演じました。
まずは、宮城・松島に上陸したゴジラに襲われます。
東京に住んでいる彼女ですが、恋人の乗る船が函館沖で沈没したという報を受けて、急行つがるに乗って北に向かっていたのでした。
この列車がゴジラに踏み潰されます。ふみ子は救助に来た車にも乗れず、ほうほうの体で逃げ惑うことになります。
東京に帰ってほっとしたのも束の間、今度はキングコングに襲われます。
こちらは京急電車と思しき赤い電車が襲われると、なぜか彼女がコングの手に握られ連れ去られます。
このとき、彼女を救ったのが桜井の機転でした。
それは、南の島・ファロ島のある体験を生かしたもの…。冒頭の桜井の登場シーンも伏線になっていて、思わずにんまりしてしまいます。
それにしてもふみ子…。幸せになってほしいものです。
2.富士山麓決戦
キングコングとゴジラの戦いは、まさに異種格闘技戦。
ゴジラが放射熱線に尻尾チョップを繰り出せば、コングは岩石投げや柔道の一本背負いを見舞います。
2大怪獣の戦いは、那須から富士山麓、熱海へと続いていきます。
なかでも、富士山麓から熱海へと続く最終決戦は圧巻です。
コングがゴジラの尻尾をつかんで振り回す、有名なシーンも富士山麓でした。
そして最後の熱海決戦。熱海城を挟んで対峙する2大怪獣。
最後は熱海城を豪快にぶっ壊すシーンは今見ても迫力満点です。
今日の1枚
それでは、そんな名シーンを伝える、ふゆき画伯(?)の「今日の1枚」。
ゴジラとキングコング、そして高島忠夫さん演じる主人公・桜井を描きました。
この作品は、2大怪獣の世紀の対決を描き、ゴジラシリーズ中では歴代1位となる1255万人を動員する大ヒットを記録。
その陰の立役者は、高島忠夫さんだと思うんだけどなぁ。いい味を出しています。
ありがとう、キングコング対ゴジラ! ありがとう、高島忠夫さん!